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レビュー

2022/10/30

2023/01/10

CANYON Ultimate CF SLX 8 納車後インプレッション

CANYON Ultimate CF SLX 8 納車後インプレッション

2022年にフルモデルチェンジされたCANYONの軽量オールラウンダー「Ultimate CF SLX 8」を購入し、先日納車されました。購入に至った経緯や、ヒルクライムを含む約150kmのコースを実際に走った感想をまとめます。

Ultimate CF SLXは自身2台目のロードバイクで、これ以前はTREKのÉmonda SL 5(2021モデル)に乗っていました。そのため比較対象はÉmonda SL 5になります。

また、購入する際に注意が必要と感じた点についても記載します。

目次

購入に至った経緯

以前乗っていたÉmonda SL 5は軽量なヒルクライムモデルという位置づけではありますが、実態としては重いロードバイクでした。この辺りの話は以前に以下で記事にしました。

ロードバイクを購入してからしばらく経ち、平坦を走るだけでなくヒルクライムも楽しむように。やがてヒルクライムのタイムを意識するようになり、今より軽量なロードバイクに乗ったらどれくらい早く走れるようになるんだろう、という気持ちが徐々に湧いてきました。

そうした中で参加したのがCANYONの新型Ultimateの試乗会でした。当時の様子は以下で記事にしています。

ここで試乗したUltimateが非常に好印象で、次のロードバイクはこれしかないと一目ぼれしてしまいました。

CFRでもSLX 9 でもなく、SLX 8を選択した理由は以下です。

  • CFR: 予算オーバー。スーパーバイクではあるが自分の実力に見合ったモデルではない
  • SLX 9: SLX 8と比較してそこまで優位性を感じなかった。SLX 9のほうが軽いモデルであることは間違いないが、価格を考慮するとSLX 8のほうがコスパがいいと判断した

ファーストインプレッション

こちらが購入したUltimate CF SLX 8。ShimanoのUltegra Di2を搭載したモデルで、サイズはSサイズです。

外観については試乗会の記事でも取り上げているので、試乗会では分からなかった点や、実際に走ってみて感じたことを記載します。

実測重量

完成車にペダルを取り付けただけの状態で重量を測ってみたところ、約7.35kgでした。

取り付けたペダルは、LOOKのKEO BLADE CARBON CERAMIC TI。このペダルの実測値は片側95g * 2で190gでした。ペダルの詳細は以下で記事にしています。

ペダルの重量を差し引いた数値は7.16kg。Ultimate CF SLX 8 Di2の公称重量は7.14kgなので、ほぼ公称重量通りということになります。

シートポストの裏側

試乗会ではリアライトが取り付けられていて分からなかった部分です。シートポストの裏側は以下のようにねじ穴が切られています。

これはCANYON純正リアライト用のマウントを取り付けるためのもの。CF SLおよびCF SLXだけの仕様で、CFRにはねじ穴がありません。

純正のリアライトの購入レビューは以下で記事にしました。

タイヤはチューブレスレディ対応だがクリンチャー運用

標準装備されているタイヤ「SCHWALBE PRO ONE」はチューブレスレディに対応していますが、完成車ではチューブを入れたクリンチャー仕様になっています。(TLE = Tubeless Easy)

一般的にチューブレスレディタイヤはクリンチャータイヤと比較して重くなるため、この構成は重量的には不利になります。軽量なクリンチャータイヤに交換するか、チューブレス運用をする方がいいです。

後日チューブレス化を行い、その時の様子を記事にしました。完成車に装備されているチューブの重量についても記載しているので、よければ以下もご覧ください。

チェーンリングは50-34に交換

Ultimate CF SLX 8は52-36のチェーンリングが標準装備されていますが、組み立ての際に50-34に交換しています。

50-34が取り付けられているÉmonda SL 5に乗っていた経験上、自分の脚力ではトップ側数枚のギアはほぼ使うことがなかったため、52-36はギアが重くなるだけでメリットがほぼ無いだろうと感じたためです。

走ってみた感想

都内のヒルクライムスポットである都民の森を含む150kmのコースを走った感想です。

ヒルクライムが明確に早くなった

都民の森はÉmonda SL 5に乗っていたころに3回ほど走っています。そのときのPRは約1時間14分でした。

今回Ultimate CF SLX 8で出したタイムは約1時間6分。Émonda SL 5から約8分も速くなっています。

体調や風向きなど様々な要因でタイムは変わってくるとは思いますが、この結果は自分でも驚きました。

Émonda SL 5はペダルを踏みこんでから推進力に変わるまで少しラグがあるような感じでしたが、Ultimate CF SLX 8は踏み込んだ瞬間に推進力に変わるような感じがありました。そのためペダルをくるくると回すことができ、タイム短縮につながったのかなと思います。

空力性能の向上も感じられる

私は体重が軽いため、グループライドでは下り坂で頑張ってペダルを回さないと集団から離されてしまう、という経験を何回もしています。

今回は知人1人とのライドでしたが、下り坂で離されないために使った力がいつもよりも少なかったように感じます。Ultimateのフレーム本体の空力特性によるものなのか、50mm高のDT Swissのホイールによるものなのかは不明ですが、Émonda SL 5よりも空力性能は向上していると思います。

もう機械式変速に戻れない

Di2は機械式変速と比べると圧倒的に変速が楽です。

特にフロントの変速が素晴らしく、これまではフロントの変速が億劫で無理やりダンシングで上っていたような坂を丁寧に変速して上るようになりました。今思うと、この無理やりトルクをかけて坂を上る行為の積み重ねが脚に疲労を蓄積していたんだろうなと思います。

パワーメーターが非常に便利

Ultimate CF SLX 8には4iiiiのパワーメーターが標準装備されています。

パワーメーターはこれまで使ったことがなく、自分には不要なものと思っていましたが、いざ使ってみると非常に便利でした。

特にヒルクライムにおいてパワーを見ながら上ることで、飛ばしすぎだから少し抑えめに走ろう、といった判断ができるのはとても助かりました。これも都民の森のタイム短縮につながった要因の一つと考えられます。

消費カロリーがより厳密に算出できるようになる、というのもメリットですね。

チェーンリングの交換は自分には正解

走りが軽くなったとはいえ、斜度が10%を超える区間ではローギアを使います。そのような状態で少しでも楽に上るため、50-34に交換したのは正解だったと思います。

平坦区間を時速40km以上で巡行できるような脚力を持つ方は52-36の恩恵があるのかもしれませんが、自分には50-34で十分でした。

カーボンレールサドルは標準では取り付け不可のため注意

個人的に盲点で、購入する際に注意が必要と感じたのがこちら。

Ultimate CF SLX 8には「GP0223-02」というサドルクランプが標準装備されています。

このサドルクランプ、7x7の新円のレールにのみ対応しており、楕円形状のレール(7x9など)は取付ができません。世の中のカーボンレールサドルはほぼすべて楕円形状のレールであるため、取付ができないということになります。

カーボンレールのサドルを取り付けるためにはどうすればいいかというと、CANYONから販売されている「GP0224-02」というサドルクランプを別途購入する必要があります。それがこちらです。

GP0224-02に交換したことでカーボンレールのサドルが取り付けられるようになりました。

取り付けたのはSPECIALIZEDの「S-WORKS POWER WITH MIRROR SADDLE」。Émonda SL 5に乗っていたころから愛用しているサドルです。

組み立てはCANYON認定のショップに依頼するのが◎

CANYONのロードバイクを注文後、基本的には自宅にロードバイクが配送され、自分自身でロードバイクを組み立てることになります。ほぼ組みあがった状態で配送されてくるとはいえ、何かトラブルがあった場合は自分で解決しないといけないことを考えるとハードルの高い作業です。

CANYONの認定ショップであれば、この面倒な組み立て作業を代行してもらうことができます。組み立ての工賃が別途必要にはなりますが、プロに任せた方が安心でしょう。

私は埼玉県戸田市にある「LimboCycling」さんに組み立てを依頼しました。前述したチェーンリングの交換も、組み立て作業と一緒にお願いしたものです。LimboCyclingさんで組み立てを依頼する場合の流れや注意点はこちらで案内が出ているので、検討している方は一読することをおすすめします。

なおCANYONジャパンの認定を受けているショップの一覧はこちらのGoogleMapで確認することができます。お住いの近くに該当のショップがあるなら、ショップに組み立てを依頼することを検討してみてください。

まとめ

Ultimate CF SLX 8のファーストインプレッションをお届けしました。

エントリーグレードからハイエンドへの買い替えは自分でも違いをしっかりと体感することができました。なかなかに高価な買い物でしたが、結果としては大満足です。

CANYONのロードバイクの購入手順や、購入した純正パーツについてのレビューは後日記事にする予定です。

この記事が参考になればうれしいです。