2022/11/16
2024/01/14
SCHWALBEのPRO ONE TLEで初めてのチューブレス化
先日納車したCANYONのUltimate CF SLXには、SCHWALBE(シュワルベ)の「PRO ONE TLE」というチューブレスレディタイヤが初めから取り付けられています。
完成車ではチューブレスではなくチューブが入った状態になっていますが、諸々検討した結果チューブレス化することに。ロードバイクを始めてからずっとタイヤにはチューブを入れた状態で運用してきたため、初めての経験でした。
ここではチューブレス化しようと思った理由や用意したアイテム、また未経験者がチューブレス化した際の一部始終をお届けします。
目次
チューブレス化しようと思った理由
一般的に、チューブレスレディタイヤはクリンチャータイヤよりも重量が増えます。チューブ無しで空気を保持できるよう、クリンチャータイヤとは異なる設計になっているためです。
SCHWALBEのPRO ONEにはチューブレスレディ(TLE)とクリンチャーの2種類がありますが、以下の通りクリンチャーのほうが30g軽量です。数値はSCHWALBEのサイトから引用しています。
TLE | クリンチャー | |
---|---|---|
重量 (700x25c) | 265g | 235g |
重量 (700x28c) | 280g | 250g |
つまり重量を考慮すると足回りの組み合わせは以下のどちらかにするべきで、今のUltimateの足回り(チューブレスレディタイヤ + チューブ)は最適とは言えません。
- クリンチャータイヤ + チューブ
- チューブレスレディタイヤ + チューブレスバルブ + シーラント
軽量なクリンチャータイヤに交換するという選択肢もありましたが、せっかく高価なチューブレスレディタイヤが手元にあるのにそれは勿体なく感じたため、初めてのチューブレス化をしてみることにしました。
用意したアイテム
今回チューブレス化を行うにあたって購入したアイテムを紹介します。
なおホイールはUltimate CF SLX 8に付属した、DT SwissのARC 1400 DICUT DB(リム高50mm)を使用。初めからチューブレス対応のリムテープが貼られているため、リムテープの用意も不要でした。
チューブレスバルブ
Ultimateの完成車にはチューブレスバルブが付属しなかったため、別途用意する必要がありました。今回はホイールに合わせてDT Swissのチューブレスバルブを購入。
バルブキャップがバルブコアツールも兼ねているため、出先で何かあったときにもバルブコアを外すことができます。
実測重量は1本あたり5gとかなり軽量でした。今回のチューブレス化は軽量化が主目的なので、1gでも軽くできるのは嬉しいところ。
シーラント
評判のいいSTAN’S NOTUBESのシーラントを購入しました。
このシーラント、以下のように容器の注ぎ口が液だれしにくい形状になっています。インジェクターにシーラントを注ぐ際に周りを汚さずに済みそうです。
インジェクター
タイヤのビード上げが完了したあと、バルブからシーラントを注入できるようにするために購入。Amazonで800円ほどでした。
ただこのインジェクター、1回シーラントを注入しただけで内部でシーラントが詰まってしまい、使えなくなってしまいました。。。次回タイヤを交換するときまでに別のインジェクターを探します。
CO2ボンベ + インフレーター
チューブレスレディタイヤを組み付ける際、タイヤのビードがなかなか上がらず苦労するというのはよく耳にしていました。自宅の空気入れでビードが上がらなかったときの対策としてLEZYNEのインフレーターとCO2ボンベを購入。
仮に必要なかったとしても出先のパンク対応で使えるため無駄になりません。
ただしCO2ボンベを使って空気を入れる場合、タイヤにシーラントが入っているとシーラントが固まってしまうようなので注意して使用しましょう。
組み付けの一部始終
ここからはチューブレス未経験者がチューブレス化するまでの一部始終をお届けします。
チューブレスバルブの取り付け
ホイールからタイヤとチューブを取り外した後、用意したチューブレスバルブをホイールに取り付けます。
ホイールとチューブレスバルブのメーカーをDT Swissで統一したのが功を奏したのか、バルブがリムにピッタリと密着する形になりました。空気漏れが起きにくそうです。
取付後はバルブナットを手で締めていきます。DT Swissのチューブレスバルブはバルブナットが横に長い形状をしているため、てこの原理が働いて手でもキツめに締めることができました。
タイヤは手で容易に取り付け可能
チューブレスバルブを取り付けた後は、ホイールにPRO ONE TLEを取り付けていきます。チューブレスレディタイヤは空気漏れが起きにくい設計になっているため取り付けが難しいと聞いていましたが、タイヤレバーは使わず手で取り付け可能でした。
すでにこのPRO ONE TLEで600kmほど走行しているため、ある程度固さが取れていたことも取り付けが簡単だった要因かもしれません。
タイヤを取り付けた後は、バルブがタイヤの内側にしっかり収まっていることを確認します。バルブがタイヤの外側に出ているとエア漏れしてしまいます。
また、タイヤのビードをあらかじめリムのセンターに寄せておきます。こうすることで空気を入れた際にビードが上がりやすくなるようです。
ビード上げは普通の空気入れであっさりクリア。ただしエア漏れが発生
PRO ONE TLEをホイールに取り付けた後は、いよいよ空気を入れてビード上げる工程です。
この工程はかなり苦労するだろうと事前に予想していましたが、意外にも自宅の安物の空気入れであっさりビードが上がりました。苦労することを予想して事前に用意したCO2ボンベは使わずに終わりました。
ただし、フロントホイールのみどこからか「シュー」という空気の抜ける音が。こういう時は石鹸水をタイヤに塗ってエア漏れしている箇所を特定するのが定石なようですが、今回は石鹸水の代わりに自宅にあったワコーズのフォーミングマルチクリーナーをタイヤ全体に吹き付けてみました。
吹き付けてみた様子がこんな感じ。
確認してみると、タイヤの表面の一部からエア漏れているような様子が確認できました。これはシーラントを注入することで解消するだろうと思ったため、次の工程に進むことに。
シーラント注入
無事にビードが上がったので、一度空気を抜いてシーラントを注入していきます。調べたところロードバイクのタイヤには30mlのシーラントを注入するのが一般的なようなので、それに倣って30mlを注入することに。
バルブコアを外してインジェクターからシーラントを注入していきます。
注入が終わった後は、ホイールを回転させたり振ったりすることでシーラントがホイール全体に行きわたるようにします。この後に再度空気を入れたところ、フロントホイールのエア漏れは無事に解消されました。
この後しばらく様子を見て空気圧が減少していることは確認できなかったため、以上で無事にチューブレス化が完了となりました。
チューブレス化で削減できた重量は?
チューブレス化にあたって取り外したチューブを確認したところ、Ultimate CF SLX 8に標準装備されていたチューブはSCHWALBEのExtra Lightというチューブでした。
実測重量は、フロント(25C)が78g、リア(28C)が93g。計171gです。
今回はこれらチューブの代わりとして、チューブレスバルブ(5g)とシーラント(30ml ≠ 30g)をインストールしました。前後で約70gです。
結果は70 - 171gとなり、前後で101gの軽量化となりました。足回りでこれだけ軽量化できたのは十分な結果だと思います。
現時点では軽いテスト走行をしたのみで、長距離のライドは出来ていません。チューブレス化したことによって乗り心地がどう変わったのか、については確認でき次第この記事を更新します。
まとめ
チューブレス未経験者がSCHWALBEのPRO ONE TLEでチューブレス化をしてみた感想をお届けしました。
PRO ONE TLEが組付けしやすいタイヤなのか、もしくは今回用意した各パーツの組み合わせがよかったのか、チューブレス化は意外とあっさり達成することができました。タイヤが固くて取付できない、ビードが上がらない、などチューブレス化はいろいろ苦労するイメージがありましたが、拍子抜けする形でした。
手持ちのホイールがチューブレスレディに対応していて、チューブレス化を検討している方はPRO ONE TLEを試してみるといいかもしれません。