2022/03/10
2024/01/14
Shokzの骨伝導イヤホン「OpenRun Pro」をサイクリスト目線でレビュー
Shokzから発売された最新型の骨伝導イヤホン「OpenRun Pro」を購入しました。
サイクリングで半日つけっぱなしの状態で過ごしたときに感じたことや、製品の使い方などについて記載していきます。
目次
自転車を運転しながら使用しても問題ないのか?
そもそも自転車を運転しながらこの製品を使用しても問題ないのか、という疑問があると思います。
道路交通法では、自転車を運転しながらのイヤホン使用を明確に禁止するような文章とはなっていませんが、各都道府県ごとに個別で交通規則が定められている場合があります。お住いの自治体の交通規則を確認しておいたほうがいいでしょう。
埼玉県の場合
私の住む埼玉県では、以下のように定められています。
【イヤホン・ヘッドホンについて】
周りの音が聞こえない状態で運転してはいけません。(埼玉県道路交通法施行細則第10条第7号。罰則:5万円以下の罰金)[イヤホン・ヘッドホン使用の危険]
・耳をふさぐので、周りの音が聞こえにくくなり危険です。
・音量が大きい場合、周りの音が聞こえなくなるので危険です。
・音楽に気を取られ、安全運転に集中できなくなるので危険です。[密閉型・解放型について]
イヤホンやヘッドホンには、密閉型と解放型があります。名前の印象から「密閉型は周りの音が聞こえないが、解放型は周りの音が聞こえる」という誤解がありますが、メーカーや製品によって性能は様々ですし、耳の形や聴力にも個人差がありますので一概には言えません。単純に「解放型だから大丈夫」ということにはなりません。[片耳での使用について]
片耳での使用なら、もう片方の耳で周りの音を聞くことができそうです。しかし、音量が大きい場合、周りの音が聞こえにくくなりますし、音楽に気を取られて安全運転に集中できなければ危険なことに変わりはありません。単純に「片耳だから大丈夫」ということにはなりません。-----
「埼玉県道路交通法施行細則(自転車関係)について」より抜粋
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0311/jikotoujisya/saitamakendoukouhousaisoku.html#earphones
上記の通り、いずれもイヤホンの使用を明確に使用するような文章になってはいないことがわかります。
周囲の音を聴くことができるか、がポイント
上記の文章を要約すると、以下がポイントであると思います。
- 周囲の音を聴くことができるか
- 何かあったときにすぐに危険を察知できるか
後述しますが、OpenRun Proは適切な音量で使用すれば上記のポイントは問題なくクリアできますので、使用については問題ないと考えます。
ただし交通量の多い道路など、より注意が必要な場所を走行する際には使用は控えておいたほうがいいでしょう。
OpenRun Proはどんな製品?
OpenRun Proは、Shokz(旧:AfterShokz)から2022年3月に一般販売された骨伝導イヤホンです。Shokzからはこれまでにいくつもの骨伝導イヤホンがリリースされていますが、この製品はそれらの製品の中でも最高の性能を誇るフラッグシップモデルという位置づけです。
Shokzは独自の骨伝導技術の特許を所有しており、他社製品と比較して音質面に定評があります。
下位モデルとの比較
本製品と同時に、OpenRunという下位モデルも販売されています。それぞれの製品の違いをピックアップしたものが以下です。
モデル | OpenRun Pro | OpenRun |
---|---|---|
価格 | 23,880円 | 16,880円 |
バッテリー駆動時間 | 10時間 | 8時間 |
充電時間 | 1時間 | 1.5時間 |
骨伝導技術 | 第9世代 | 第8世代 |
防水規格 | IP55 | IP67 |
モデル選びのポイント
まず価格面で大きな差(7000円)があることがわかります。OpenRun Proのほうが音質やバッテリーの面で優れており上位モデルという位置づけですが、そこに7000円の価値を見出せるかによって選ぶモデルが変わりそうです。
また、防水規格だけは「OpenRun Pro」のほうが「OpenRun」にも劣っていることがわかります。雨天での使用も想定しているのであればOpenRunのを選択したほうが良いかもしれません。
ちなみに私がOpenRun Proを選択したのは、バッテリー性能を重視したからです。100kmを超えるようなロングライドでは連続使用時間が8時間を超えることもあるので、バッテリー切れの可能性を少しでも減らしたかったのが選択理由です。
小型サイズが新発売
2022年の末に、OpenRun Proとスペックは同じでバンドの長さが違うだけの「OpenRun Pro Mini」が発売されました。OpenRun Pro MiniとOpenRun Proの比較は以下で記事にしています。
ebifran RoadBike Blog
OpenRun Pro Mini購入レビュー。従来モデルとの違いは?
製品本体と付属品
全内容物
箱に入っていたものをすべて取り出すとこんな感じ。
製品本体の他、以下が付属していました。
- 専用ポーチ
- 充電用ケーブル
- 説明書
- 注意書き
- Shokzアプリの案内
製品本体
こちらがOpenRun Pro本体です。色はブラックを選択しました。
バンド部分は形状記憶素材になっています。使用者の頭の大きさによって最適な形を維持するようになっていて、耳の周りが圧迫されるような感じがありません。
操作ボタンについて
本体の左右には音量操作用のボタンとマルチファンクションボタンがついています。
音量操作用ボタン
本体右側についている+-のボタンを押すことで音量をコントロールすることができます。+のボタンは電源のオン/オフも割り当てられており、長押しすることでオン/オフの切り替えができます。
マルチファンクションボタン
本体左側についているボタンは、以下のように押す回数によってさまざまな機能が割り当てられています。
- 1回押す: 曲の再生と停止
- 2回押す: 次の曲にスキップ
- 3回押す: 前の曲に戻る
- 着信中に1回押す: 電話に出る
- 通話中に1回押す: 通話を切る
ロードバイクでの走行中でもこれらの操作が可能なのはうれしいです。(安全には注意して操作しましょう)
充電端子とケーブルについて
本体の右側にはバッテリーを充電するための端子がついています。
この部分はマグネットになっており、向きが間違っている場合は反発して端子がくっつかない仕様になっています。そのためわざわざ目視して向きを確認する必要がありません。
充電用ケーブルはこの端子に合う専用品になっています。
再生端末(iPhone)とのペアリング手順
OpenRun Proで音楽を再生するにあたって、再生端末とペアリングをする必要がありますが、やり方はとても簡単です。以下はiPhoneとペアリングする手順です。
- OpenRun Proの電源を一度オフにする
- OpenRun ProのLEDが赤と青に点滅するまで(約5秒間)電源ボタンを長押しする
- iPhoneの「設定」 > 「Bluetooth」よりBluetoothをオンにする
- 「その他のデバイス」に「OpenRun Pro by Shokz」が表示されるのでタップする
タップ後、「接続済み」と表示されれば成功です。このとき、本体側から「接続しました」と日本語音声が流れます。
一度ペアリングをした後は、以降はiPhone側のBluetoothがオンになっていればOpenRun Proの電源をいれるだけで自動的にペアリングしてくれます。
実際にサイクリングで使ってみた感想
以上が本体の紹介でしたが、ここからは半日のサイクリングで実際に使ってみてた感想を記載していきます。
ヘルメットやゴーグルと干渉しない
ロードバイクでの走行時に使用する場合、ゴーグルやマスク、ヘルメットなどと併用する必要があります。それらを全部装着した写真がこちらですが、絶妙に干渉しません。
装着していることを忘れてしまうくらい抜群のフィット感
ダンシングをしたり下ハンを握ったりして乗車姿勢を変えてみましたが、本体がずれてしまうようなことはなかったです。それでいて圧迫感もないので長時間装着したままでもストレスを感じません。
本体の電源を切ってもジャージのバックポケットにしまうようなことはせず、装着したままにするという使用方法で問題ないと思います。
適切な音量で使用すれば安全面も問題なし
耳を塞いでいないため、背後から近づく車の音にも問題なく気が付くことができました。周囲の音はしっかり聴こえるのに頭の上のほうで音楽が鳴っているような、なんとも不思議な感覚です。
ただし音量を上げすぎると周囲の音は当然聞こえにくくなるので、安全に走行できるくらいの音量で使用するようにしましょう。
マルチファンクションボタンがやや押しずらい
マルチファンクションボタンは凹凸が少ないため、ロードバイク走行中にグローブをつけている状態だとボタンの位置を探すのに少し苦労しました。慣れの問題だとは思いますが、もう少し凹凸のあるデザインのほうが使いやすかったように思います。(音量ボタンは凹凸があるので押しやすい)
ケーブルはUSBがよかった
これはサイクリングとは無関係ですが、前述の通り充電端子はUSBのような汎用規格ではありません。もし充電ケーブルが断線した場合は専用品を購入する必要があります。
端子部分はマグネットになってて充電しやすいというメリットはありますが、個人的にはUSBで充電できるほうがよかったなと思います。
まとめ
決して安い買い物ではなかったですが、個人的には大満足の製品です。ソロライドではこれからも大活躍してくれそうです。
私はサイクリングで使用しているほか、リモートワーク時のWEB会議のヘッドセットとしても使用しています。OpenRun Proはマイク性能も良いため、自分の声をしっかりと相手に伝えることが出来ます。
様々な場面で使用できるOpenRun Proはおすすめできる骨伝導イヤホンです。