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レビュー

2022/03/19

2024/01/14

Bontragerのステム一体型ハンドル「Aeolus RSL VR-C Handlebar Stem」をレビュー

Bontragerのステム一体型ハンドル「Aeolus RSL VR-C Handlebar Stem」をレビュー

ロードバイクを始めて1年が経過しようとしたころに、Bontragerのステム一体型ハンドル「Aeolus RSL VR-C Handlebar Stem」を購入しました。

製品の特長や、初心者がなぜ購入しようと思ったのか、また使ってみて感じたメリットとデメリットについてレビューしていきます。

目次

(2022年7月更新)リコール対象になりました

ハンドルの購入と取り付けを行ったショップから連絡があり、この製品がリコール対象になったとのことでショップで対応をしてもらいました。詳しくは以下の記事をご覧ください。

Aeolus RSL VR-C Handlebar / Stem とは

TREK傘下のパーツブランドであるBontragerから販売されているステム一体型ハンドルです。2020年にフルモデルチェンジしたÉmondaに合わせて販売が開始されました。

Émondaに最適化するように作られているものの、専用設計とはなっていないため、TREK以外のロードバイクでも使用することができるのが特徴です。また、完成車に付属するのはSLRグレードからですが、フレーム形状が同じであるSLグレードにも問題なく取付可能です。

製品の特長を写真付きでチェック

実際に私のロードバイクに取り付けられている実物の写真を見ながら特徴をチェックしてきます。

ケーブルを完全内装する仕様ではない

空力性能を向上させるため、最近のロードバイクはブレーキホースやシフトケーブルが外部に全く露出しないモデルが増えてきています。

このハンドルも一見すると完全内装のように見えますがそうではなく、ハンドルの裏側にケーブルを通す溝が設けられており、そこにケーブルを這わせるだけの構造になっています。

ハンドル中央付近には留め具があり、ケーブルが垂れない仕組みになっています。

また、Émondaは以下のようにフォークコラムからケーブル類をフレーム内部に内装する設計になっています。これにより、ケーブルが外部に露出するのを最小限に抑えています。

完全内装は見た目と空力面でメリットがありますが、メンテナンスが行いにくくなるというデメリットがあります。それに対し、このハンドルは完全内装のメリットを兼ね備えながらメンテナンス性も確保されており、個人的には良いとこ取りの設計だと感じます。

ロゴがないシンプルなデザイン

ハンドルの表面、裏面ともにメーカーや製品のロゴは一切ありません。そのためどんなロードバイクに取り付けてもなじむデザインになっているのがうれしいポイントです。

エアロ形状と軽量性を両立

空気抵抗を削減する平たいデザインですが、400mm x 90mmのサイズで281gとかなり軽量に仕上がっています。

これはÉmonda SL5の完成車についてくるアルミのハンドルとほぼ同じ重量です。なのでこのハンドルに交換すればステム1個分の重量が削減できることになります。

Bontragerからは「XXX Integrated Road Handlebar/Stem」という軽さに特化したステム一体型ハンドルがすでにラインナップされており、そちらは同サイズで221gとさらに軽量です。エアロ形状ではなくなりますが、軽さに全振りするのであればそちらを選ぶほうがいいかもしれません。

購入してよかった点

見た目が格段に良くなった

そもそも私がこのハンドルを購入しようと思ったのは100%見た目です。ケーブルが外に露出しないデザインと、ハンドルからステムまでツライチになっている戦闘機のような見た目に一目ぼれしてしまいました。

私の乗るÉmonda SL5は人気モデルなので、街中でも乗っている人を多く見かけます。なので装備するパーツはほかの人と差別化したいという思いがあるのですが、このハンドルに変えたことでその欲求は満たされました。いまだに走りながらハンドルを見てうっとりしてしまいます。

Blendrシステムでアクセサリー類をスマートに装着できる

Bontragerには「Blendr」という独自規格があり、これを利用することでハンドル回りをすっきりさせたままアクセサリー類を装着することができます。

通常、Blendrを利用するには以下の2つのマウントが必要になります。

  • ベースマウント: ハンドルに取り付けるベースとなるマウント
  • 製品ごとのマウント: ベースマウントに取り付ける部品で、サイコンやライトなど各アクセサリー応じたマウント

「Aeolus RSL VR-C Handlebar Stem」にはベースマウントとガーミン用サイコンマウント、ライトマウントが初めから付属しています。なのでBlendrに対応したライトを購入すればすぐ使い始めることができます。以下はBlendrを使用した私のハンドル回りです。

少しわかりにくいですが、赤枠で囲んでいるのがベースマウント、青枠で囲んでいるのが製品ごとのマウントです。サイコンとライトをすっきり装着できています。

いまいちだった点

エアロや軽量化などの効果はあまり実感できず

このハンドルに交換したことによって巡航速度やヒルクライムのタイムの向上につながったかというと、特にそんな感じはしなかったです。ハンドルを軽くするとダンシングでハンドルを左右に振りやすくなる、みたいなことが言われていたりしますが、これも特に感じませんでした。

ただしこれは私の走力が無いだけで、走力がある人や真剣にレースに取り組んでいる人が交換すれば効果を実感できるんだろうなと思います。

価格が高め

70000円超えという価格はなかなか購入に踏み切れない価格設定です。ステム一体型ハンドルは他社からも様々なラインナップがありますが、この価格はその中でも高いほうだと思います。

前述のようなこの製品ならではの特性にメリットを感じなければ他社の製品を選択したほうが良いかもしれません。

ポジション調整がしづらい

ステム一体型ハンドル全般に言えることですが、通常のハンドル / ステムと異なりハンドルの角度調整ができないため、ポジションの調整はしづらくなります。

また、後からステムの長さを変更しようと思うと、ハンドル自体を変更することになるため通常よりもお金がかかってしまいます。ステム一体型のハンドルを購入する前に、事前にフィッティングサービスを受けてステムの長さを確定しておくことをおすすめします。

購入にあたっての注意点

現在では解消されているかもしれませんが、私がこのハンドルを注文した2020年の年末は国内はおろか本国にも在庫がない状態でした。そのためショップに依頼して取り寄せることにしたのですが、注文してから商品を受け取るまで約半年かかりました。

購入しようか迷っている方は、事前にショップで在庫状況を確認することをおすすめします。

まとめ

改めて記事にしてみると私にとってはメリットよりもデメリットのほうが目立つ製品ですが、見た目にほれ込んで購入し、結果思っていた通りの見た目に仕上がったので自分的にはとても満足しています。後悔はまったくしていません。

逆に初心者の方で、速度の向上を目的にこの製品を購入することはおすすめしません。タイヤやホイールなどを交換したほうが効果を感じやすいので、それらのアップグレードを優先したほうがいいです。

初心者目線のレビューなのであまり参考にならないかもしれないですが、この記事が何かのお役に立てばうれしいです。